長野県箕輪町Y様邸 現地調査行ってきました。

外壁の破損は、家の見た目や耐久性に大きな影響を与えます

50年を超える長期使用も可能なALCパネルの外壁材です。

ALCを一言で表すなら「軽量気泡コンクリート」です。普通のコンクリートを打設する場合、できるだけ気泡を取り除きます。ところが工場で生産されるALCはわざと気泡を発生させ、多孔質にします。この分だけ、ALCは軽くなり、独立した気泡が熱を伝えづらくしているのです。また、コンクリートですから不燃です。不燃で軽く、高断熱という特徴はこれらの構造のおかげなのです。

ALCの高い断熱性と軽さの元になっている無数の気泡、実はこれが最大のウィークポイントにも成り得ます。こういった多孔質のため、極めて水が染み込みやすいのです。

 ALCが含水するとそれだけで強度が低下すると言われており(問題のないレベルですが)、そうしたデータを発表しているメーカーもあります。含水による強度低下は乾燥すれば元に戻るので、それほど深刻なことではありません。問題は内部に補強のために使われている鉄筋やラス網(金網)です。防錆加工はされているものの、何度も雨水に晒されていればその効果も落ちてきます。
 鉄が錆びれば体積は膨張しますから、内部から軽量気泡コンクリートが押し出されることになり、剥落や欠損が生じるのです。含水によってALCパネルの強度が低下していれば、より剥落や欠損しやすくなるでしょう。

ALCパネルのメンテナンスは適切な時期に適正な施工で外壁塗装とシーリングを行い、吸水させないことが極めて重要になります。

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